~気まぐれ男子と誕生日。~
「おじゃましますー」
「どうぞどうぞ」
入ってびっくり。
「まあ!菱くんこれどうしたのー?」
珍しく大歓迎の姿勢をみせた菱くんに驚きの色を隠せません。
それに…。
「どうしたのこのケーキ…!」
菱くんの部屋の真ん中においてあるミニテーブルの上にはホールのケーキがどーんと構えていたのです。
「ああ。これ、本当はサプライズーとかいって出そうと思ったんだけど、面倒だったからそのままでいっか、ってなってこの状況」
「菱くんそんなことまで考えてくれたの…!?」
面倒になった、というところには目は行きません。
大事なのは基本面倒がりやでだるだるの菱くんが私の誕生日を覚えてくれていて、その上お祝いしようと頑張ってくれた。
そこが一番大切なのですっ。