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─…。








「─てことがあってねー」




「ふーん」






─放課後。いつも通り菱くん家に寄り、今日あった出来事を話してみました。

 
すると、今日は少し気が向いてないのか、平坦な返しが返ってきましたが、気にせず続けます。





「変だよねぇあんな照れちゃって。ただ蚊に刺されただけなのにね~」





そうなんです。



今回の問題(?)となった首筋の赤い跡の正体はただの蚊に刺された跡だったのです!






「すごいどんでん返しだよね。ここまで読者を期待させといて」




「え?何のこと?」





「でもね、俺は読者の期待は裏切らないよ」





「え?あの、菱くん?」






「だって本当はこれ、俺がつけた跡だもん」








「…えええぇぇえぇええ!?だってこれ、蚊に刺されたんじゃない?って菱くんが…!!」






そうなんです!!菱くんったら私に嘘を付いてたんですね…!!






「あー、うん。面白いかなと。ていうか、気づかないの橋ちゃんだけでしょ」




「ええっ!?そ、そうなの!?」




地味によってショックを受ける私に、菱くんは更に追い討ちをかけます。






「そのお友達が橋ちゃんに絆創膏渡したのだって気づいてたからでしょ。」





「だ、だからあんなに焦って…」




そうとなれば全ての辻褄が合います…。




「…大体、キスマークの跡と蚊に刺される跡じゃ腫れとか違うでしょ。キスマークは痣で、蚊は腫れなんだから。見りゃわかるってもんですよ、橋さん?」





「─っひ、ひどいよ菱くんー!!」





ポカポカとグーで菱くんを責め叩くと、はははと余裕の笑みを浮かべる菱くん。






「その顔がみたくて…」



「それもっと違うシチュエーションで聞きたかったぁぁ!!」




補足、菱くんは意地悪…。←根に持ってる。