いきなり何かを頭からかぶせられたかと思うと、グイッと後頭部を菱くんの胸に引き寄せられ、そのまましっかりと包み込むように抱きしめられる。
「…えっと…、どうしたの?」
色んなことが突然のことすぎて既に頭はパンク状態。
「…橋ちゃん、自分の格好見てみなよ」
やっと言葉を発したと思ったら突拍子もないことで、さらに訳が分からなくなったが、取り敢えず自分の服装を見直してみる。
「…?なにもおかしくないと思うけど…」
フロントでもらった浴衣をせっかくだから着ようと着ただけで、何も普段とは変わってないのですが…。
「…はぁ。これは気づかないはずだ」
「え…?あ、あれっ、菱くん浴衣着てたの!?」
「え?あ、ああ。涼しいし…て、俺じゃなくて橋ちゃんもそうでしょーが」
「え?あ、うん。あ、どう?似合ってるっ?なんて」
「似合いすぎ。てか色っぽい」
「え!?!?」
予想外な答えに狼狽する私をよそにはぁと溜め息を吐く菱くん。