着いた場所は路地へ少し入った先にある、いかにも甘味処って感じの時代劇に出てきそうな外観のお店でした。
早速お店の前にある赤い布が巻かれた長椅子に座り、菱くんはみたらし団子、私は三色団子を頼んだ。
程なくして店員さんが運んできてくれて、ここでようやく念願の甘味タイム!!
「「いただきます」」
「…これ、すごい柔らかいよ…!!三色団子がこんなに美味しいだなんて!!」
「ふふっ、やっぱり本場は違うね」
三色団子のあまりの美味しさに歓喜していると、ふっと微笑み、とても優しい表情をした菱くんにキュンとし、思わず仄かに染まった頬を隠そうとパッと下を向く。
「…こっちも食べてみ?」
柔らかな声で言う菱くんと、みたらし団子の香ばしく甘い香りに逆らう理由もなく、パクッと食べる。
「…!?お、美味しいいい…!!!!」
「でしょ?………、ねえ、橋ちゃん橋ちゃん」
「…?なぁに……、…!////」
ほんの一瞬。
名前を呼ばれ、菱くんの方へと顔を向けた瞬間、
─チュッ。
ついばむように口の端にキスをされ、菱くんと目が合う。
「ひ、菱…くん…////」
「…キス、した訳じゃないよ。口の端にみたらし付いてたから…ね?」