「な、なに…これ…」



何でみんな窓際に集まってるの!?




教室の入り口で二人で唖然としていると、そんな私達に気がついたクラスメイトが声をかけてきました。





「ちょっとどこ行ってたのよ!!今ね、南高の菱くんがうちの正門の前に立ってるのよ!!!!」




「ええええ!!??」
「はぁ!?」





見事にハモった私としのちゃんの絶叫をものともせず、恍惚と語り出すクラスメイトをおいて、急いで窓際へと駆け寄ると…









「菱くん…!!」



「ちょ…あんたなんか聞いてないの!?」



「聞いてないよぉ!!…っと、あれ?ラインきてる…」




たまたま目に入ったスマホはチカチカと緑色に光っていて、取り敢えず確認してみる。







《橋ちゃん橋ちゃん、今日は一緒に帰るよ》





わあっ…!菱くんからのお誘いです!!



私は嬉々として菱くんへの返信を打ち始めましたが、途中でハッとし、考え込みます。





「あの状況で私が菱くんのとこにいったら…!!」




すると、どうやら私の状況を読みとったらしいしのちゃんが、アドバイスを耳打ちで教えてくれました。





「裏門からならバレないわよ。学校から離れたところで落ち合いなさいよ」




「…おおっ!そうする!!」