「あのね、この近くに新しくオープンしたケーキのお店があるんだけどね」
補足、菱くんは無類の甘いもの好きなんです。
「一緒に行か「ない」
「ふふっ、そっか。じゃあちょっと買ってくるね」
答えは分かってたし、もとよりダメもとなだけにへこんだりはしない。
すぐそこだし携帯とお財布だけでいいかなーと、支度をしていると。
「橋ちゃん、そこのマフラーとって」
「え?あ、これ?ていうか…」
ううん、言わなくてもいいや。
「よし、じゃ、行こ」
「うんっ」
なんだか今日は甘いなぁ。菱くん。
────…
「お会計1680円でーす」
「はーい」
「ん」
「え、菱くん払ってくれるの?」
「うん」
「じゃあ帰りに私が飲み物買うね。ほら、喉乾いちゃうでしょ?」
「…」
─クシャクシャ
「わわっ、菱くん?頭なんか撫でてどうしたの?」
「…」
「ふふっ、仲のよろしいカップルで」
「あ、す、すみませんお会計っ…」
こうみえて菱くんは彼女思いなのです!