「さすが棗様ですねぇ…っ」
あたし、春田 ななせ は3階の窓から身を乗り出し、双眼鏡で相良くんを見据える。
相良くんの観察を始めて2日目。
まだ彼についてほとんど知り得ていない。
胸ポケットに入っている 相良くん観察メモ に記されているのは身長や体重といったどうでもいい情報ばかり。
これじゃダメだ…。
もっと相良くんを調査しなくては!!
あ、みなさん。
こんなストーカーまがいな行動をしているあたしですけど、決してストーカーではありません!
これは義務なんです。
別に、相良くんのことが好きとかそういうことではなく、どうしても彼についての情報を得なくてはならないのです。
なぜならそれは…