学校に着くと、こぼした灰色の絵の具が少しずつ乾いていて、青い画用紙が見えてきているようだった。
「入学早々ですが、今日は皆さんご存知の通り、復習テストです!中学でやった内容がちゃんとわかってれば出来るはずだから頑張れよ!」
と大野先生は大きな声でそう言った。
あ、そーいや今日テストだ。
ヤバイ!
怜音の事しか考えてなかった!
あ''ー!もうっ!
「どーしよなっちゃんっ!さくノー勉!」
「ウチもだよーッ」
「ゆうもかっきーもノー勉なの〜?ウチはちゃんとやってきたよ〜。」
「うっそー!なっちゃんがー?」
「なんだよそれ〜!」
3人は笑いながら話していた。
みんなノー勉なんだ!
よかった〜。
耳を澄ますと、ノー勉という単語がたくさん聞こえてくる。
すると先生が、
「おーい、言い忘れてたけど、テストの日は制服キチッと着ろよー!男子はネクタイ、女子はネクタイかリボン、上でやれよー!あと、生徒手帳は…あっまだ1年生は持ってないんだっけな。」
生徒手帳か…。
早く欲しいな〜…。
「じゃあテスト配るから席つけー!」
そう言って、先生はテストを配り始めた。