次の日の朝は、灰色の絵の具を溶いた水を空にこぼしてしまったような空だった。
くもりの日って、こんなに暗かったっけ?
4月とはいえ、まだまだ寒い。
手をギュッと握って電車に乗り込んだ。
次の駅に着いて、3人が声を掛けてくれるまで、私はぼーっとしたまま動いていなかったようだった。
「莉緒っぺ今日元気無いねっ。何かあった?」
かっきーはそう言ってくれた。
この3人なら言っても大丈夫。
何故かそんな気がしたから、私は、ずっと怜音に片想いしてたこと、やっと付き合えたこと、、昨日言われたこと、を話した。
先輩の事は、言えなかった。
「そっか…。莉緒っぺはまだ怜音くんの事好きなの?」
ゆうはそう言った。
「う、うん…。好きだよ。」
「じゃあ、莉緒っぺの片想いに戻ったってこと?」
「まぁ…そうなるのかな。」
「そんなに落ち込まないでっ。思ったんだけどさ、怜音くんってホントに優しい人なんだね。」
「え…。」
なんでゆうはそんな事を思ったのだろう。
「きっとさ、怜音くんは莉緒っぺの事を傷つけないように悩んでたんだと思う。フるのは可哀想だけど、遅くなればなる程傷つくよね。怜音くんはまだその事がよくわかってなくて、その事がわかったのが、最近だったんだよ。」
ゆう…。
なんだ、そんな事だったんだ。
怜音は、不器用だけど不器用なりに私のことを最後まで考えてくれてたんだ。
怜音の優しいところに惚れたけど、最後まで優しいんだな。
「ウチもそう思う。」
「さくもかな。」
「なんだか、3人に相談したら、気持ちが軽くなった!ホントにありがとう!」
「よかった!なんだか嬉しいな♪」
ゆうはそう言って笑った。