説明して置かなくちゃいけないのが、怜音のこと。

1年も片思いで、やっと振り向かせた人で、付き合ってからもうしばらく経つ。

けれど、私の気持ちを揺らす人がいた。

バスケ部の先輩で、全然かっこよくないけど、いつも自信を持ってプレイしていて、常に全力で、いつも素直に笑っている、そんな純粋って感じの先輩。
確か、「三田和幸」って名前。
先輩は、廊下ですれ違う度に笑ってくれて、話しかけてくれたこともあった。

最初は「憧れ」かと思っていたんだけど。

私は先輩に惹かれていった。

錯覚をしているわけでもなく、好きになっていたんだ。

でも、怜音とは別れたくなかった。
このままだと怜音にも先輩にも失礼だってわかっていた。

でも、なにも出来なかった。

先輩は卒業して、私はその淡い恋を諦めた。

怜音と一緒にいる内に、先輩のことを忘れることができた。

なのにまた思い出してしまうんだ。
最近。