今日は、中間テストだ。
一年の最初は簡単だって先輩達が言ってたから、頑張らなくちゃ。
何教科かのテストが終わって、一人でトイレに行こうとしたら、混んでて入れなかった。
並んでる時間も無いし、次の休み時間まで我慢出来そうになかったから、カフェテリアの方のトイレに入った。
トイレから出たときには、もう少しの時間しかなかったから急いで教室へと戻った。
渡り廊下を走って通り、手に持っていたハンカチをポケットに入れようとしたその瞬間、、、、
ドンッ!
誰かとぶつかった。
背が高かったから多分先輩で、下を向いたままお互いに敬語で謝っていた。
コンタクトが取れそうな気がして、目を押さえている間に、その人は立ち上がった。
ていうか、先輩とほぼ同じ身長…
もしかして、先輩…?
顔をあげると、知らない先輩だった。
そして、その先輩の足音は遠ざかっていった。
先輩もどきに会ったって、嬉しくないんだよーだっ!
私は、さっき起こった出来事に、心の中であっかんべーをした。
すると、ツルッと滑ってその場に転んでしまった。
何人かの人が見ていて、恥ずかしかった。
あ"ーっもうっ!
ほんとにツイてない!
よく見ると、その滑った原因は、落し物の生徒手帳だった。
一瞬引きちぎろうと思ったけど、すぐに中を見たくなった。
そして開けようとしたとき、
「おーい、そこの一年!はやくもどんねーと間に合わねーぞ!」
知らない先生に怒られた。
「はーい!」
私は生徒手帳をポケットにしまい、そのまま次のテストを受けた。