放課後。
明日からは部活見学が始まるらしい。
もし先輩が同じ高校で、バスケ部にいたら…。
毎日会うことも出来るようになるんだよね。
毎日話すなんて、夢じゃなくなるかも…。
まぁ、それはないよね。
大体、先輩が高校でバスケをしてるとは限らないし、同じ高校だなんて奇跡に等しい。
駅で頑張るしかないなぁ…。
でも髪型とか変わってたらわかんないかも。
いや、わかるはず!
中学の時、あれだけ先輩を見てたんだから!
「ゆうー、かっきー、莉緒っぺー帰ろ〜。」
「うん!帰ろー!」
すると、ゆうが近づいてきて、
「先輩探さなきゃ、ねっ。」
「うんっ…!」
「なっちゃんとかっきーにも説明していい?」
「いいよっ。協力してもらわなきゃだからね!」
「わかった!」
そう言うと、ゆうは歩きながら説明を始めた。
「幼稚じゃないと思うよー。ウチも莉緒っぺの気持ちわかる気がする。」
なっちゃんはそう言った。
「さくもかな。先輩の事、応援するよ!」
「ありがとーっ!」
わかってもらえてよかった!
駅は隅々まで探さないと!
よし、頑張るぞ!
「いないね〜。」
先輩どころか、同じ高校の1年生がちらほらいるだけで、人もあまりいなかった。
「2年生とか3年生は、部活なんじゃない?」
あ!そうか!
部活があったんだ!
自分らのことしか考えてなかった〜!
「あ、でも、他の高校は部活なしとかあるんじゃ…」
探してみたけれど、やっぱりいなかった。
「部活始まるまで待つしかないか…。」
「うん…。」
どこの高校かも知らない先輩を探すのは、思ったよりも大変そうだ。