朝からの雨は、昼になっても止むことはなかった。
冬の水道水と同じくらい冷たかった。



今日はテストが返された。
なっちゃんとかっきーは、昼休みの補修でが決まってしまったみたいで、ご飯を食べた後はすぐに補修室へと向かっていった。


怜音と別れてから、先輩のことを思い出して仕方ない。

A君と別れたー!うぇーん!
あ、でもやっぱりA君よりB君が好きかも!
私ね〜、B君が好きなんだー!

みたいな小学生の考え方みたいで、先輩の事を考えて仕方ないのは幼稚な頭だからなのだろう。

小学生の考え方とわかっていても…。

「…っぺ!おーい、莉緒っぺ!」
「えっ!あ、なに?」

考えに入り込み過ぎて聞こえなかったみたいだった。

「最近ぼーっとしてるよ?大丈夫?」
「えっ、あっ、そーかなー?」

そんなにぼーっとしてるつもりは無いんだけどなぁ。

「怜音くんのこと?」
「ううん…。」

ゆう惜しいっ。

「何考えてるのっ?ゆうは悩んでるようにしか見えないよ!」

ゆうって優しいな。
なっちゃんにもかっきーにもゆうにも、いつか話して分かってもらうべき事なのだと思う。
そうすれば、怜音との中途半端な自分の中の片想いを、終わらせる事ができるのかもしれない…。

「こんなのおかしいって、だめだって、前からわかってたんだけど…。」

私は先輩のことを全てゆうに話した。

「そっか…。怜音くんの事も好きで、先輩の事も気になってて、自分の行動なわかんなくなっちゃってたんだよね。」

その通りだった。

「うん…。最近、先輩のこと考えてたら、『友達』としての好きが上回るようになってた事に気づかなかったのかもしれないって思ったんだ。それで頭のなかに先輩が出てきて…。そうゆう事だったのかもしれないなって、思うんだ。」

ゆうは、頷きながら聞いてくれた。

「莉緒っぺの考えてることは、全然幼稚なんかじゃないよ。」

えっ…。

「莉緒っぺは、先輩と両思いになれるように頑張れってこと!!」

ゆうは、そう言って私を盛り上げてくれた。

「うん!これからは、そう頑張ることにする!」
「で、何組だか調べなくっちゃね!」
「うん!……ん?」
「ん?どうかした?」
「高校が………わかんない……。」

すっかり忘れてた!
先輩の高校、知らないんだった!

「えーっ!じゃあこれからは駅と電車で先輩探しだっ!」

ゆうはやる気を出してそう言った。

忘れられなかったこの想いに免じて、絶対に見つけてみせる!!!