がやがや
がやがや
「参加するカップルはいませんかー?もうすぐ締切ますよー」
学校の校庭の端のテント下で、メガホンを持って声を張る先輩に張り切った様子で声をかける私。
「はいはい!私達もやります!!」
「はいっ、3カップル入りまーす!ではあっちで受付して下さい」
「はいっ」
私達はぞろぞろとテント下の方に向かい、1カップルずつ受付を済ませた。
あのままじゃ私達の友情は取り戻すことは出来ないと思い、私は思い切って凌哉くんが行きたがっていたカップルイベントに参加することにした。
このイベントで優勝したいという理由ではなく、カップルで参加して春子達が仲直り出来るキッカケが作れるんじゃないかと思ったのだ。
私達は浴衣からジャージに着替え、樹里と絢人にも他の生徒に貸してもらった学校指定の体操着を貸し、2人も制服から着替えた。
柳田くんの話によるとこのイベントって結構難しいらしいし、頭も体も使って楽しめるとか何とかって言ってたな…
とにかく何もしないよりはいいよね。
「本当に出るの…?」
「沙世カップルとだったらいいけど…余計な2人がいるなら気が乗らないなぁ」
もう2カップルはテンションが低く、全く乗り気ではない様子。
「いいからいいからっ!とりあえず出ようよ!軽いノリでさ♪シャレだよシャレ」
私は春子と樹里の間に入り、2人の肩を組んで「ね?ね?」とお互いを交互に見た。
2人はそっぽを向いて不機嫌そうな顔をする…
今はいつもの私のキャラではないけど…ここは背伸びして頑張らないと!
「…ぷ」
すると、近くにいた凌哉くんがそんな私を見て吹き出して笑う。
私がキッとそっちを睨むと、凌哉くんは機嫌が良さそうにして柳田くんと絢人に話しかけていた。
なによっ
どうせいつものキャラと違いますよ!
どーぞ笑って下さい!自分でもかなり不自然なことはわかってますから!
「参加カップルさん集まってくださーい!」
するとイベントのスタッフ係に呼ばれ、私達はその生徒の前に集まって競技の説明や注意事項を受けた。
参加するカップルは私達の他に15組くらいいて、結構人数が多いことに驚いた…
みんなカップルはこういうのに参加したいもんなんだなぁ…
恥ずかしくないのかな?
まあ、これから自分も参加するからそんなこと改めて思うのもおかしな話だけどさ。
「それぞれ1カップルに1つずつおもちゃの手錠を配るので、お互いの手首につけてもらいます」
係の生徒がダンボールに入った手錠を出して、それぞれのカップルに配り始めた。
手錠をつけて競技するってこと!?
結構本格的だし難易度高いなぁ…
「沙世」
「は、はい!」
後ろから名前を呼ばれて振り返ると、凌哉くんがいておもちゃの手錠を持ちながら嬉しそうな顔をしていた。
「俺らもつけよ」
「う、ん…」
ただおもちゃの手錠をつけるだけなのに…緊張するしドキドキしてきた。
カチャン…
凌哉くんは私の右手首と自分の左手首に手錠をはめると、ニコニコと笑って私に抱きついてスリスリと体を擦り付けて来る。
「やっぱり参加して良かったな~いいイベントだぜ」
「ちょ、ちょっと!みんなの前でやめてよ」
手錠をつけてるだけでも恥ずかしいのに…
凌哉くんとそんなふうにジャレながらちらっと友達カップルを見てると…
手錠をはめた春子と柳田くんはどこか恥ずかしそうで、樹里と絢人ははめた手錠を見て笑いながらスマホで写メを撮っていた。
おお!
ちょっといい感じ?
2人共嫌がってた割には結構楽しんでる?
その時…ふと春子と樹里が目が合う。すると春子はふんと首をそむけ、樹里は俯きながら顔を曇らせた。
がやがや
「参加するカップルはいませんかー?もうすぐ締切ますよー」
学校の校庭の端のテント下で、メガホンを持って声を張る先輩に張り切った様子で声をかける私。
「はいはい!私達もやります!!」
「はいっ、3カップル入りまーす!ではあっちで受付して下さい」
「はいっ」
私達はぞろぞろとテント下の方に向かい、1カップルずつ受付を済ませた。
あのままじゃ私達の友情は取り戻すことは出来ないと思い、私は思い切って凌哉くんが行きたがっていたカップルイベントに参加することにした。
このイベントで優勝したいという理由ではなく、カップルで参加して春子達が仲直り出来るキッカケが作れるんじゃないかと思ったのだ。
私達は浴衣からジャージに着替え、樹里と絢人にも他の生徒に貸してもらった学校指定の体操着を貸し、2人も制服から着替えた。
柳田くんの話によるとこのイベントって結構難しいらしいし、頭も体も使って楽しめるとか何とかって言ってたな…
とにかく何もしないよりはいいよね。
「本当に出るの…?」
「沙世カップルとだったらいいけど…余計な2人がいるなら気が乗らないなぁ」
もう2カップルはテンションが低く、全く乗り気ではない様子。
「いいからいいからっ!とりあえず出ようよ!軽いノリでさ♪シャレだよシャレ」
私は春子と樹里の間に入り、2人の肩を組んで「ね?ね?」とお互いを交互に見た。
2人はそっぽを向いて不機嫌そうな顔をする…
今はいつもの私のキャラではないけど…ここは背伸びして頑張らないと!
「…ぷ」
すると、近くにいた凌哉くんがそんな私を見て吹き出して笑う。
私がキッとそっちを睨むと、凌哉くんは機嫌が良さそうにして柳田くんと絢人に話しかけていた。
なによっ
どうせいつものキャラと違いますよ!
どーぞ笑って下さい!自分でもかなり不自然なことはわかってますから!
「参加カップルさん集まってくださーい!」
するとイベントのスタッフ係に呼ばれ、私達はその生徒の前に集まって競技の説明や注意事項を受けた。
参加するカップルは私達の他に15組くらいいて、結構人数が多いことに驚いた…
みんなカップルはこういうのに参加したいもんなんだなぁ…
恥ずかしくないのかな?
まあ、これから自分も参加するからそんなこと改めて思うのもおかしな話だけどさ。
「それぞれ1カップルに1つずつおもちゃの手錠を配るので、お互いの手首につけてもらいます」
係の生徒がダンボールに入った手錠を出して、それぞれのカップルに配り始めた。
手錠をつけて競技するってこと!?
結構本格的だし難易度高いなぁ…
「沙世」
「は、はい!」
後ろから名前を呼ばれて振り返ると、凌哉くんがいておもちゃの手錠を持ちながら嬉しそうな顔をしていた。
「俺らもつけよ」
「う、ん…」
ただおもちゃの手錠をつけるだけなのに…緊張するしドキドキしてきた。
カチャン…
凌哉くんは私の右手首と自分の左手首に手錠をはめると、ニコニコと笑って私に抱きついてスリスリと体を擦り付けて来る。
「やっぱり参加して良かったな~いいイベントだぜ」
「ちょ、ちょっと!みんなの前でやめてよ」
手錠をつけてるだけでも恥ずかしいのに…
凌哉くんとそんなふうにジャレながらちらっと友達カップルを見てると…
手錠をはめた春子と柳田くんはどこか恥ずかしそうで、樹里と絢人ははめた手錠を見て笑いながらスマホで写メを撮っていた。
おお!
ちょっといい感じ?
2人共嫌がってた割には結構楽しんでる?
その時…ふと春子と樹里が目が合う。すると春子はふんと首をそむけ、樹里は俯きながら顔を曇らせた。