「ふ、服着てよっ」

「暑いから嫌だ」


お風呂上がりが暑いのはわかるけどさ…裸でいられると、変に意識しちゃうじゃん!





「2人きりになれたんだし…せっかくだからこれから…」

「えっ…」


上半身裸の状態の凌哉くんんが、ソファーに座っている私にどんどん近づいてきてニヤリと笑った。

私は身を構えながら、どこか覚悟を決めたように目を閉じる。






「…」



しーん…





あれ?



てっきりキスされるのかと思ったのに…

不思議に思いながらパチッと目を開けると、目の前にはUNOを持った凌哉くんの姿が映る。






「え、UNO??」


2人きりになれたから、これからUNOやろうってこと…?





「溝口から借りたんだ。あいつこういうのいっぱい持って来ててさ…せっかくだから今日は盛り上がろうぜ」

「うん…」


な、なんだ…

こっちが思ってる程、凌哉くんはそんな強引な人でも急ぐタイプの人じゃないよね。

良かった…













「また俺の勝ち」

「え~~~~!」


小一時間後。お菓子を広げながらUNOを楽しむ私達…





「なんで勝てないの~」

「もう8連勝だぞ」


凌哉くん強過ぎ…


ん…?





「…どうした?」


急にめまいがしたような気がして頭を押さえると、凌哉くんは心配そうに私の顔をのぞき込む。





「ちょっとフラフラしただけだから大丈夫…」

「ずっと外うろうろしてたから疲れたんだろ。今日は早めに寝たら?」

「うん、そうしようかな」


私は歯を磨いた後、寝室へ行きベットに横になる。




ギシ…





え。




すると、凌哉くんも私の寝ているベットに寝転がって来た。





「ちょ、ちょっと!」

「なに?」


凌哉くんは隣のベットから枕を持ってきて、自分用のタオルケットをかけて私の隣に寝転がる。






「もしかして…一緒に寝る気?」


この行為は本気?

それともギャグなの…??





「寝るに決まってるだろ。せっかく2人きりになったのに、別々のベットに寝てどーすんだよ」

「……」


どーすんだよって…

一緒に寝たくないわけじゃないけど…隣に凌哉くんがいたら眠れないよ…

寝顔とか絶対見られたくないし。もしヨダレとかでてたら最悪だもん!






「沙世」

「は、はい!」


タオルケッにくるまって色々と考えていたら、凌哉が私を呼び私はゆっくりと顔を出した。






「おいで…」


腕を横に伸ばして、優しく微笑む凌哉くん。





「…うん」


私は恥ずかしがりながら頷き、言われた通り凌哉くんの腕の上に頭を乗せて寝転がると…凌哉くんは私をそのまま抱きしめた。





腕枕ってやつだよね、これは…

こんな事やる日が訪れるなんてっ…信じられない!


恥ずかしくって顔が赤くなる~それになんだか暑くなってきたよ…





「好きだよ…」

「うん…私も」


頭がクラクラする…暑いよ………








「沙世?………おい!」


異変に気づいた凌哉くんは、私のおでこに手を当てる。私は体の暑さに耐えながらふわふわとした気分になっていた…