「何?」
「何じゃないわよ。凌哉に言ったらサプライズにならないでしょーが!」
「あ、そっか…」
あくまでも凌哉くんの誕生日の延長でケーキ作るんだから、話したらつまんないか…
「でも…何にも言わないで行くのは…ちょっと…」
この前の一件で凌哉くんにはすごく心配させちゃったからな…
「大丈夫だよ!ペンションの主人には話してあるし♪買い出し行ったらキッチン貸してくれるって!」
「本当!?」
ペンションのご主人が知ってるなら大丈夫だね!
あ~楽しみになってきた!
「スーパーまでちょっと歩くけど…まあ今日はそこまで日差しも強くないし平気だよね!」
「うん全然!」
かぶっている麦わら帽子をかぶり直したあと、私と妃華ちゃんは凌哉くん達に気づかれないようにその場からそっと離れた。
ペンションから数分離れた場所にある川を抜けて、森に挟まれた一般道へと出てきた私達は歩道に寄って並んで歩く…
「この辺にもスーパーがあるんだね」
失礼だけど…何にもないと思ってた。
「ここから30分くらい歩くとあるらしいよ~私も行ったことないけど結構大きくて品揃えいいらしい」
「妃華ちゃんも初めて行くところ?迷ったりしないかな」
「大丈夫!ペンションのおじさんから地図描いてもらったからバッチリだよ☆」
妃華ちゃんは肩にかけているカバンから、折りたたんだメモを出してウィンクした。
「そっか!なら安心だね」
ホッとしたのもつかの間…
その数十分後……
「あれ?おかしいな…」
完全に道に迷った私達は、道路の隅で立ち止まり描いてもらった地図とにらめっこ。
「この地図…大雑把過ぎてわかんないね」
「だね。どうしよう…迷った」
こんな森の中にポツンと取り残された状態で、すごく不安になり泣きそうになる私達…
「そうだ!電話してみようよ」
「あ、そっか!」
スマホを出して画面を見ると…
「県外…」
「私も…」
スマホの電波は県外で、電話やインターネットは出来ない状態に。
「マジどうしよ~このままじゃ…」
「お、落ち着こう!とりあえず車が通るを待たない?しばらくここで待ってれば誰かしら通るかもよ?」
下手に動き回るよりもここでじっとしてた方がいいよ。多分まだ、ペンションからそんなに離れてはないはずだし…
「そうだね…」
不安そうに道路の隅の地べたに座り、膝を抱える妃華ちゃんの隣に、私は寄り添うように座った。
そこから一時間近くじっと待ってみたが、車は一台も通らない…
「ごめんね…私のせいでまた……沙世ちゃんに迷惑かけて…」
フルフルと肩を震わせて泣き始める妃華ちゃんを、私は慌てて慰める。
「そんなことないよっ。とにかく今は無事にペンションに戻る事を考えよう」
この際スーパーに行くことと、ケーキ作りの事はもう諦めた方がいいのかも…
ま、ケーキはいつでも作れるしね!今はペンションに帰ることの方が大事だよ。
「もう一回さっきの地図見せてくれる?」
「うん…」
妃華ちゃんから受け取ったメモには、手書きで大雑把な地図が描かれている。
めっちゃ適当だしいい加減…性格出てるな…
ペンションのご主人はすごく明るくて面白い人だけど、確かにいい加減で適当な感じの人でもあった(笑)
「来た道を戻ってみたら、なんとなく道に見覚えがあって帰れるんじゃない?」
今来た道くらいは覚えてるし…
「本当?じゃあ…ちょっと戻ってみる?」
「うん…」
私達は勢いよく立ち上がり、今来た道を戻ってみた…しかし…
「全然わかんね」
余計に道に迷ってしまい、ギブアップした様子の妃華ちゃんは道にしゃがみ込んだ。
「ごめんねっ…やっぱりむやみに動き回ると逆効果だね」
私の判断は間違ってました…
「そんなことないよ…じっとしてると不安になるから動き回りたいよね」
「うん…でももう動くのはよそう」
私達はまた道路の隅に腰を下ろして、並んで膝を抱えた。
「今何時?」
「もうすぐ4時になるね」
もう結構時間が経ってるな…
さすがに凌哉くん達も、私と妃華ちゃんがいない事に気づいてるはず。もしかしたら今頃は私達を探し回ってるかも…
「本当にごめんね。私のせいでこんな事になっちゃって…」
隣にいる妃華ちゃんが、泣きそうな顔をして何度も謝って来た。
「ううん、気にしないでよ」
「でも…」
「スーパーに行く事は私も一緒に決めた事なんだから、私にも責任はあるよ。だから怒られる時は2人で怒られようね」
凌哉くんには絶対に怒られると思うから、今から心の準備しとかないとな…
ああ、恐ろしい…
「何じゃないわよ。凌哉に言ったらサプライズにならないでしょーが!」
「あ、そっか…」
あくまでも凌哉くんの誕生日の延長でケーキ作るんだから、話したらつまんないか…
「でも…何にも言わないで行くのは…ちょっと…」
この前の一件で凌哉くんにはすごく心配させちゃったからな…
「大丈夫だよ!ペンションの主人には話してあるし♪買い出し行ったらキッチン貸してくれるって!」
「本当!?」
ペンションのご主人が知ってるなら大丈夫だね!
あ~楽しみになってきた!
「スーパーまでちょっと歩くけど…まあ今日はそこまで日差しも強くないし平気だよね!」
「うん全然!」
かぶっている麦わら帽子をかぶり直したあと、私と妃華ちゃんは凌哉くん達に気づかれないようにその場からそっと離れた。
ペンションから数分離れた場所にある川を抜けて、森に挟まれた一般道へと出てきた私達は歩道に寄って並んで歩く…
「この辺にもスーパーがあるんだね」
失礼だけど…何にもないと思ってた。
「ここから30分くらい歩くとあるらしいよ~私も行ったことないけど結構大きくて品揃えいいらしい」
「妃華ちゃんも初めて行くところ?迷ったりしないかな」
「大丈夫!ペンションのおじさんから地図描いてもらったからバッチリだよ☆」
妃華ちゃんは肩にかけているカバンから、折りたたんだメモを出してウィンクした。
「そっか!なら安心だね」
ホッとしたのもつかの間…
その数十分後……
「あれ?おかしいな…」
完全に道に迷った私達は、道路の隅で立ち止まり描いてもらった地図とにらめっこ。
「この地図…大雑把過ぎてわかんないね」
「だね。どうしよう…迷った」
こんな森の中にポツンと取り残された状態で、すごく不安になり泣きそうになる私達…
「そうだ!電話してみようよ」
「あ、そっか!」
スマホを出して画面を見ると…
「県外…」
「私も…」
スマホの電波は県外で、電話やインターネットは出来ない状態に。
「マジどうしよ~このままじゃ…」
「お、落ち着こう!とりあえず車が通るを待たない?しばらくここで待ってれば誰かしら通るかもよ?」
下手に動き回るよりもここでじっとしてた方がいいよ。多分まだ、ペンションからそんなに離れてはないはずだし…
「そうだね…」
不安そうに道路の隅の地べたに座り、膝を抱える妃華ちゃんの隣に、私は寄り添うように座った。
そこから一時間近くじっと待ってみたが、車は一台も通らない…
「ごめんね…私のせいでまた……沙世ちゃんに迷惑かけて…」
フルフルと肩を震わせて泣き始める妃華ちゃんを、私は慌てて慰める。
「そんなことないよっ。とにかく今は無事にペンションに戻る事を考えよう」
この際スーパーに行くことと、ケーキ作りの事はもう諦めた方がいいのかも…
ま、ケーキはいつでも作れるしね!今はペンションに帰ることの方が大事だよ。
「もう一回さっきの地図見せてくれる?」
「うん…」
妃華ちゃんから受け取ったメモには、手書きで大雑把な地図が描かれている。
めっちゃ適当だしいい加減…性格出てるな…
ペンションのご主人はすごく明るくて面白い人だけど、確かにいい加減で適当な感じの人でもあった(笑)
「来た道を戻ってみたら、なんとなく道に見覚えがあって帰れるんじゃない?」
今来た道くらいは覚えてるし…
「本当?じゃあ…ちょっと戻ってみる?」
「うん…」
私達は勢いよく立ち上がり、今来た道を戻ってみた…しかし…
「全然わかんね」
余計に道に迷ってしまい、ギブアップした様子の妃華ちゃんは道にしゃがみ込んだ。
「ごめんねっ…やっぱりむやみに動き回ると逆効果だね」
私の判断は間違ってました…
「そんなことないよ…じっとしてると不安になるから動き回りたいよね」
「うん…でももう動くのはよそう」
私達はまた道路の隅に腰を下ろして、並んで膝を抱えた。
「今何時?」
「もうすぐ4時になるね」
もう結構時間が経ってるな…
さすがに凌哉くん達も、私と妃華ちゃんがいない事に気づいてるはず。もしかしたら今頃は私達を探し回ってるかも…
「本当にごめんね。私のせいでこんな事になっちゃって…」
隣にいる妃華ちゃんが、泣きそうな顔をして何度も謝って来た。
「ううん、気にしないでよ」
「でも…」
「スーパーに行く事は私も一緒に決めた事なんだから、私にも責任はあるよ。だから怒られる時は2人で怒られようね」
凌哉くんには絶対に怒られると思うから、今から心の準備しとかないとな…
ああ、恐ろしい…