真剣な顔をする私を見て、凌哉くんは苦笑いをして「本当に真面目だなお前は」と言った。
「…圭吾の性格だから、皆の前で自分の事を話すのが恥ずかったんじゃねえの?」
凌哉くんのその発言に私はうーんと首を傾げた。
「柳田くんてシャイなの?」
「…シャイっつーか……男は基本自分の恋愛関係は周りに話さないからな。そこは完全プライベートなことだし」
柳田くんに凌哉くんが私の話ばかりしてるって聞いたことあるけど、ならあれはなんだったのかな?
ま、今は話がそれるからあえて聞かないけどさ。
「ただそれだけの事だよ」
「そう…」
なんとか春子の誤解を解く方法はないかなぁ…
「凌哉と萩原」
その時ペンションの入口から柳田くんが出てきて、私達を見つけるなり小走りで近寄って来た。
グットタイミング過ぎる展開に、私は思わず立ち上がり柳田くんに近寄る。
「ちょっといい!?」
「な、なんなだよ…」
腕をガシッと掴む私を見て、柳田くんはかなり驚いている。
「なんであんな事言ったの!?」
「え?」
「さっきの王様ゲームの事だよ!なんで「好きな人いない」って嘘ついたのさっ。私には春子が好きって言ってたじゃん!」
私がそう言うと、柳田くんは恥ずかしそうな顔をして私から目をそらした。
「…そんなの……言えないよ。凌哉の前だけならまだしも溝口や妃華の前だし」
凌哉くんの言う通り、やっぱり柳田くんは恥ずかしかっただけなのか。
掴んでいた柳田くんの腕から手を離してちらっと凌哉くんを見ると、「ほらな」と言っているような顔をして鼻で笑った。
「で、でもさっ…それで春子が傷ついてるんでよ?早く部屋に行って誤解を解いてあげてよ」
春子も柳田くんのこと好きなんだから!
2人は随分前から両想いだったんだからね!
「…え?小川が誤解ってどういうこと?」
「はい?」
キョトンとした顔をしてわけのわからない様子の柳田くんを見て、私も彼と同じような顔をする。
あの…もしかしてこの人…
春子も自分の事好きだって気づいてないの?
どんだけ鈍いんだ!
「とにかく春子の部屋に行きなさい!そして「さっきのは嘘です」って言って!!!」
「え!?なんだよそれ???溝口がトランプの用意出来たから凌哉と萩原を呼んで来いって言われたから、俺は呼びに来ただけなのに~」
柳田くんの背中を押しながら、私は「いいから!」と何度も叫ぶ。
そんな私達を見て凌哉くんはケラケラと笑う。
「とにかく行くの!春子のこと好きなんでしょ?」
私のその質問に柳田くんは顔を少し赤らめながらも、「ああ」と頷く。
「なら行って…お願い」
「わ、わかったよ」
ようやく重い腰を上げた様子の柳田くんは、照れくさそうに言ってペンションの中に入ろうとする。
「溝口が呼んでるから行ってやれよ」
「はいはい」
クルッとこっちを振り返ってそう一言残すと、柳田くんは走ってペンションに入って行った。
春子の部屋に向かっている柳田くんの背中を見て、私は胸の中で何度も「頑張れ」とつぶやく。
これでようやく春子が生き返るよ…
とりあえず一安心。
「あんな押されてる圭吾初めて見た。面白いもん見せてもらったよ」
ベンチから立ち上がる凌哉くんは、そう言って立っている私の隣にやって来る。
「凌哉くんの言ってた通りだったね…」
「まあな。でも今のお前の押しで何か変わるかもしれないぞ」
「え?」
変わるって…
「何が!?」
「声がテガイっつーの。さぁな…確証はないけど確信はしてる」
自信げに笑う凌哉くんを見ながら、私は春子のことを思った…
もうすぐ…
もう少しで…春子がきっと幸せなるよ!
軽井沢の山奥のペンションの前で、頭上にキラキラと光る星に私は繰り返しそう願った…
その数時間…その願いが叶った。
「…圭吾の性格だから、皆の前で自分の事を話すのが恥ずかったんじゃねえの?」
凌哉くんのその発言に私はうーんと首を傾げた。
「柳田くんてシャイなの?」
「…シャイっつーか……男は基本自分の恋愛関係は周りに話さないからな。そこは完全プライベートなことだし」
柳田くんに凌哉くんが私の話ばかりしてるって聞いたことあるけど、ならあれはなんだったのかな?
ま、今は話がそれるからあえて聞かないけどさ。
「ただそれだけの事だよ」
「そう…」
なんとか春子の誤解を解く方法はないかなぁ…
「凌哉と萩原」
その時ペンションの入口から柳田くんが出てきて、私達を見つけるなり小走りで近寄って来た。
グットタイミング過ぎる展開に、私は思わず立ち上がり柳田くんに近寄る。
「ちょっといい!?」
「な、なんなだよ…」
腕をガシッと掴む私を見て、柳田くんはかなり驚いている。
「なんであんな事言ったの!?」
「え?」
「さっきの王様ゲームの事だよ!なんで「好きな人いない」って嘘ついたのさっ。私には春子が好きって言ってたじゃん!」
私がそう言うと、柳田くんは恥ずかしそうな顔をして私から目をそらした。
「…そんなの……言えないよ。凌哉の前だけならまだしも溝口や妃華の前だし」
凌哉くんの言う通り、やっぱり柳田くんは恥ずかしかっただけなのか。
掴んでいた柳田くんの腕から手を離してちらっと凌哉くんを見ると、「ほらな」と言っているような顔をして鼻で笑った。
「で、でもさっ…それで春子が傷ついてるんでよ?早く部屋に行って誤解を解いてあげてよ」
春子も柳田くんのこと好きなんだから!
2人は随分前から両想いだったんだからね!
「…え?小川が誤解ってどういうこと?」
「はい?」
キョトンとした顔をしてわけのわからない様子の柳田くんを見て、私も彼と同じような顔をする。
あの…もしかしてこの人…
春子も自分の事好きだって気づいてないの?
どんだけ鈍いんだ!
「とにかく春子の部屋に行きなさい!そして「さっきのは嘘です」って言って!!!」
「え!?なんだよそれ???溝口がトランプの用意出来たから凌哉と萩原を呼んで来いって言われたから、俺は呼びに来ただけなのに~」
柳田くんの背中を押しながら、私は「いいから!」と何度も叫ぶ。
そんな私達を見て凌哉くんはケラケラと笑う。
「とにかく行くの!春子のこと好きなんでしょ?」
私のその質問に柳田くんは顔を少し赤らめながらも、「ああ」と頷く。
「なら行って…お願い」
「わ、わかったよ」
ようやく重い腰を上げた様子の柳田くんは、照れくさそうに言ってペンションの中に入ろうとする。
「溝口が呼んでるから行ってやれよ」
「はいはい」
クルッとこっちを振り返ってそう一言残すと、柳田くんは走ってペンションに入って行った。
春子の部屋に向かっている柳田くんの背中を見て、私は胸の中で何度も「頑張れ」とつぶやく。
これでようやく春子が生き返るよ…
とりあえず一安心。
「あんな押されてる圭吾初めて見た。面白いもん見せてもらったよ」
ベンチから立ち上がる凌哉くんは、そう言って立っている私の隣にやって来る。
「凌哉くんの言ってた通りだったね…」
「まあな。でも今のお前の押しで何か変わるかもしれないぞ」
「え?」
変わるって…
「何が!?」
「声がテガイっつーの。さぁな…確証はないけど確信はしてる」
自信げに笑う凌哉くんを見ながら、私は春子のことを思った…
もうすぐ…
もう少しで…春子がきっと幸せなるよ!
軽井沢の山奥のペンションの前で、頭上にキラキラと光る星に私は繰り返しそう願った…
その数時間…その願いが叶った。