「はぁ~~、お前もか」 時雨は呆れて深い溜め息をついた。 「いやだって、気になるじゃん、ねぇ?」 「ねぇ、じゃないよ。僕らは付き合ってない」 「ホントにー?」 「本当だよ。僕が楓と約束したのは『友達になってほしい』って内容なんだから」 「約束ねぇ……。でも、お前はいいのかよ」 「は?」 「友達のままでいいのかってことだよ」 「……」 時雨の頭の中を一週間前のあの日がよぎる。