おわかりいただけるだろうか。



悪い事をした時に優しくされればされるほど胸が痛み、自分が凶悪犯のように思える現象を。



まさにそれが今この場で起こっているのだ。




「げ、源さん!俺たち……俺たちは……ごめんなさい…」




言い訳をしようと声を上げたが何も思いつかなかったのか、言葉が続かず謝る藤堂。




「勝手に抜け出してごめんなさい。吉原がどんなところが知りたくて歳さん達の後をつけたの」



「ごめんなさい」



素直に謝ると続いて沖田も謝った。



それを聞いた源さんは怒鳴ることもせずただ私達の頭を撫でた。




「正直に話して偉かったね。吉原についてはお前達にはまだ早いと思って説明しなかったから俺たちが悪かったんだ。道場に戻りながら説明しようか」



それから私達は井上から試衛館に戻りながら吉原について説明を受けた。



あぁ、私達はなんてところに行こうとしていたんだ、と3人して項垂れた。



試衛館に戻るともちろん鬼の形相をしたおふでさんにこっぴどく叱られた。




次の日の朝には土方から拳骨も頂いた。



周助先生にはその日、稽古をさせてもらえず1日道場の掃除をさせられた。




もう二度と勝手に抜け出すのはやめようと、私達3人は心に留めた。