土方等を追って行くと大きな大門が見えてきた。



そこを出入りしているのは男の人だけで、女や子供の姿は全く見えない。




何となく入りづらさを感じている雪とは対照的に平助と宗次郎は先を進んで行こうとする。



「ね、ねえ…やっぱり帰らない……?」




そう言うと何故だと言わんばかりに眉間に皺を寄せている。




何で2人は気づかないの?



この妖しい雰囲気に。




帰る、帰らないを3人で言い合っていると背後に何かが止まる音がした。




何故だか振り向くのがとても恐ろしい。




私の背後を見つめる2人は顔を青くし、凍りついている。




恐る恐る振り向くと、にこやかに笑う源さんこと井上源三郎がいた。





にこやかと言っても目の奥は今まで見たことがないくらいに冷たい。




「お前達…一体何をやっているんだい?」