「別にそんなんじゃないけど…ただ気になっただけ」



土方の態度に苛立ち、ツンとした態度を取るが本人は未だに顔中の筋肉が緩んでいる。




一体何を勘違いしているのか。




でも…恋慕に興味があるのは事実。




私にもいずれ想い人とやらが現れるのかしら。



そんなことを考えていると二人の人物が来店した。




「あー!雪だけずるい!!なんで僕たちを誘ってくれなかったんですかーーーー!!!」



店に入り、私たちの姿を捉えるや否や喚き出す沖田。




「すいませーん、お団子ひとつください」




そう言いながらちゃっかり私達の席に座る平助。




「おい、お前等の分は出さねえからな」





「良いじゃないですか、減るもんじゃないですし」




俺の金が減る!!!と怒鳴るも宗次郎の耳には届いてない。





「すいませーん!お団子五本におはぎ三つくださーーい!!」



「あら、宗ちゃんじゃないかい。今日もよく食べるねえ」




甘味馬鹿の宗次郎は江戸の甘味処では有名で人懐っこさから店の女将たちからえらく気に入られている。



「女将さんの作るお団子はいまのところ日本一だよ!!」



「やだねえ、口が上手いんだから!一本おまけね!」