『何を……何を聞いたんだ!』



組員の世間話は

俺が美咲に惚れ込んでいると…

ただ、美咲は風俗で働いていたから

いま、妊娠したら誰の子供だって話……



な…なんで

そんなこと……


俺の怒りフツフツと湧き上がり



『誰だ…その組員…』


殺す…


「若…それはこちらでします」


『いや……俺が殺る…』



「汚れた手で美咲ちゃんを迎えに行くのか」

「この家業だから、手は汚れちまう」

「ただ、それは必要ねぇ」

「今は何よりも美咲ちゃんが優先じゃねぇのか…」


親父の言葉に


少しだけ怒りが収まった。