「雅樹、てめぇは仕事に行け」
親父の言葉に
俺は目を向けない
「雅樹よ……てめぇは桐生組の若頭だろ」
そんなの関係ねぇ。
俺は美咲さえいれば
そんな肩書きはいらねぇんだ…
『…いらねぇよ…そんなもん…』
そう言って
親父の前から去ろうとすると
「待て、こらぁ」
バキッっ……
「く、組長!!」
大東が親父を止める
「美咲ちゃんはこっちで探しますんで…若は仕事してください」
『俺が探す…』
立ち上がり、玄関へ向かおうとした
「雅樹…そんな姿、美咲ちゃんは喜ぶのか?」
『あ?』
「自信のない姿は弱く見える…そんな雅樹を美咲ちゃんは喜ぶのか?」
弱い?
俺がか?
「3日、時間をください。必ず見つけ出しますから」
大東がいう。
3日……
俺は渋々、了承した。