「あの先輩、とってもかっこいいねぇ!」

「う、うん。」

名前を呼んでもらえた。

それだけでどんどん私の体は火照る。

「慧、もしかして…


あの先輩のこと、好きなの?」


「ぶっほっっ!!!!ゴホゴホッ!」

予想もつかない質問をされてむせた

「な、なに?どうしたの?いきなりそんな…」

「そんな動揺しなくても…
いや、さっきからあの先輩と話すと慧の顔りんごみたいに真っ赤なんだもん!」

た、確かに暑いな〜とは思ってたけど。

「好きなんてありえないから!」

「えー、そうなのー?」


だってね、那月。
もう和也の時のような思いはしたくないの。

自分が100%想ってもらえるわけない、それがどんなに苦しいことかもう知っているから。


そんな愚かな思いはもう絶対したくないって、決めたから……。