ほんの少し段差のあるところでつまずいてしまった。


「わっ!」


転ぶと思って咄嗟に身構えた。

すると、いきなり体が中に浮いた。



誰かに引き上げられたのだ
すぐに上をむくとそこには、長身で日焼けが目立つ男の先輩がいた。


「大丈夫?怪我は?」

低音だけれど、ずっと聞いていたくなるような優しく透き通るような声。

「えと、大丈夫です!
すみませんっ‼︎ ありがとうございます!」

「無事ならよかった。」

「っっ!!!!」

不意打ちに微笑むその姿に息をのんだ
とても綺麗で、今にも消えてしまいそうな…そんな笑顔。

「今度から気をつけてね」

じゃあね、と付け加えて一緒にいた友達と行ってしまった。

「慧!大丈夫⁉︎」

「あ!う、うん。ごめんごめん、行こ!!!!」

今日は少し暑いのかも。