ぽけ〜


「慧……
あんた今日どうしたの…?
ずっと口開いちゃってるけど…」



「えっ!嘘っ!?」


恥ずかしくて口を腕で隠す。


「なによー、樋口先輩と何かあったのー?」


ニヤニヤしながら私の顔を覗き込む那月。


「あった…といえば、あった……」


樋口… 蓮先輩の名前を呼べって決められて、とってもドキドキしていること。


それも、これからずっとそう呼ばないといけないなんて……

恥ずかしくて、顔も見れない……





「おーーい、今日の日直は宿泊学習のしおりを作るから放課後手伝ってくれー」


担任の先生が教室のドアから顔を出して、私たちのクラスに呼びかけた。



「あれ、慧今日日直じゃん。」


「えっ!?じゃあ部活遅れちゃう…」


どうして今日この日が日直なのかを恨む…


とりあえず、和也に部活遅れること言いに行かないと…


そして和也の教室に向かう。