「慧ちゃん、慧ちゃんは最低なんかじゃないよ。
十分素敵な人だと思う、人のことを1番に考える。

でも、人のことばかり考えてると絶対後悔する。

だから、少しくらいわがままになってもいいんだよ?」


「わがまま…?」

「うん。
それこそキャプテンが言ってた通り、人のこと気にしながら生きるなんてつまらないよ」

「ありがとう…ございます……」

「よし!それじゃあ、作業再開!!!!」

「はい‼︎」

うじうじしてられない


もう諦めない

フラれたけど諦めずに好きでい続ける人の気持ちが少しわかったような気がする


次は部員たちがタイムを測るから、私は一人一人の記録をすることになった


「今日は短距離を測る。
5回測るから、一回ごとに2秒は縮めろ‼︎ 縮められなかった奴はペナルティでグラウンド10周‼︎」


顧問の先生が指示を出しタイムを測り始める

やっぱり強豪は向かう目標が高い


グラウンドも一周600メートルだから相当きつい。

それを10周なんて…


考えただけでも悪寒が……



「位置について、ヨーイ、どんっ!」


1年生がスタートを言い3年生から短距離を測り始める。



さすが3年生。


1人もペナルティをする人がいなかった


2年生は数人だけペナルティが


1年生は和也と隆弘くん以外の全員がペナルティになってしまった




「おらっ!さっさとペナルティだ!

その他のやつはしっかりストレッチをしてグランド整備をしておけ。

そのあと全員揃ったらミーティングだ」



「はい!!!!!!」


部員全員が綺麗に揃った返事をし、指示されたそれぞれの行動に移った。


マネージャーはペナルティがない人たちに、水分とタオルをそれぞれに配る。


樋口先輩は相当早くて、3年生と同じかそれ以上の速さだった。

圭人先輩もそれに負けじと早いが、樋口先輩は本当に早い。



樋口先輩にもタオルとドリンクを渡し、

「お疲れ様です」

と声をかけると、

「サンキュー」と返ってきた。


些細なことでもドキドキしながら樋口先輩接する



そして、陸上部に入って樋口先輩について分かったことは、樋口先輩は人見知りか何かなのか初めての人にはふわふわした口調でしゃべるけど、


だんだんと仲良くなっていくうちに、フレンドリーな口調になっていく。




そんなところがかわいいなあなんて思ってみたり…