足取りも重たくグラウンドに向かうと、柚先輩が駆け寄ってきた
「慧ちゃんお疲れ様!
ごめんねわざわざ…
慧ちゃんどうしたの?
元気ないけど…」
「え!そ、そんなことないですよ!!」
図星をつかれなんとか誤魔化そうとすると、
「慧ちゃん、無理しなくていいから、ダメな時は言ってね?」
それでも誤魔化しも効かなくて柚先輩には分かってしまったみたいだ…
「うっうぅ〜…柚先輩〜〜」
思わず泣いてしまい、またしても柚先輩を困らせてしまった…
そのあと、部活の合間にマネージャーにも休憩が出されたので柚先輩とお話しした
柚先輩にも樋口先輩が好きなことを話し、言ってはいけないような気がしたけれど先ほどあった出来事と、思ってしまった感情を言うと…
「慧ちゃんは優しい子だね。
大丈夫、最低なんかじゃないよ
それは好きすぎて思っちゃうことなんだから。
私も圭人のことで、慧ちゃんみたいな嫉妬しちゃうことあるよ?」
「柚先輩もですか…?」
「うん!
自分で言うのもあれだけど、圭人見ての通りかっこいいから、私と付き合う前から樋口と一緒で告白されまくりだったのよ」
照れたように可愛く言う先輩が可愛くて、圭人先輩は幸せ者だと思う…
「私も好きだったけど、フラれるのが怖かったし部活とかで雰囲気悪くしてもいやだから諦めてたんだ…
でもそんなある日、キャプテンが言ってくれたの、“やってみなきゃなにも始まらないだろ?人のことをを気にして生きる人生なんてやめな”ってね」
「裕貴先輩らしいですね…」
「ふふ、でしょう?」
「あれ、でも裕貴先輩って…」
いつも2人にちょっかいだしてるから、
と言いかけたけどやめた
でも柚先輩にはなにが言いたいのか、分かったらしく、
「あの人…いつもはあんなだけど、実はとっても頼りになるいい人なのよね
いつもはいじってきたり、いちゃもんつけてきたりするけど、あの人なりの『よかったね』なんだよ」
「柚先輩は、一人一人をしっかり見てるんですね…」
そんな柚先輩がやっぱりすごくて、尊敬する
そしてまた部員たちのよさが見えて、嬉しくも思う