「恋愛でバカになるのは分かるよ!!!!


それでもいいバカと悪いバカの2つがあると思う


幸せになってなるバカと、依存しすぎて周りが見えなくなって堕ちるバカ。



慧は後者の方には絶対ならないから。

今こうして、そのバカにならないように自分の気持ち閉じ込めちゃってるバカにはなっちゃったけど。


そしてさ、“愚かになる”ってどう言うこと?
恋愛で愚かになるは考えたこともなかったけど?」






心が……


軽くなった気がした…





那月の言葉の呪文が私の心の、閉じ込めてた鍵をすんなり開けてしまった気がする。


「那月はすごい魔法使いだね…」


はー?と言いながらも笑顔で答えてくれた那月。




「私、やっぱり樋口先輩のこと…」



『好き』って言う前に閉じ込めてた感情と涙が出てしまった


感情を閉じ込めるのも辛いなんて、恋はなんて強敵なんだろう


泣いてる私をよしよしと慰めがら、那月が言った



「私、見てて思ってたの。」

「?何を?」

「慧、あなたはね、



好きな人は下の名前で呼ばないのよ!!!!」





!!!!!!!!?

「和也くんの時は雰囲気でわかったけど、樋口先輩は確信した!」

先輩も、この前言ってたようなことと同じだ……


これで自分が無意識とか…


怖いなぁ

「ふふふ、先輩にも同じようなこと、この前言われたんだよね。」

「え、そうなの!?」

「うん“どうして俺だけは下の名前で呼んでくれないの?”って…」

「あわー、先輩やるわねぇ…」

「ふふ、私どうしていいか分からなくて慌ててたら、和也がちょうど来て助かったんだけど」

「少女漫画みたいな展開ね」



本当にね。と答え2人でクスクス笑った

「でもそんな些細なことに気づくってことはさ、樋口先輩も慧に気があるんじゃないの?」


「それは絶対ないない。

先輩かっこいいし、誰にでも優しいから…
柚先輩も樋口先輩は何人にも告白されて、断り続けてるって言ってたし…」

「その断り続けてることに理由はあるの?」

「それは、“今は部活に集中したいから”だって…」

「そっかぁ… 手強そうな相手ね!」

目を細めて、まるでドラマに出てる刑事のように言うものだから、笑ってしまった


その後も那月とは淡いもない会話をした