すると、道の向こうから、ネコがとぼとぼと歩いてきました。

桃太郎はいいました。

「ネコさんどうしたんですか?」

ネコは泣そうな声でいいました。

「あなたたちこそ、どうしたんですか?」

金太郎は言いました。

「鬼退治に行くんです。でもなんだか元気がでなくって。」

ネコも元気なくいいました。

「わたしは、命の次に大事な鈴の紐が取れてしまって」

ネコは、紐のとれた鈴を見せてシクシクと泣き出しました。