すると、道の向こうから、キジがとぼとぼ歩いてきました。

桃太郎は話しかけました。

「キジさん、どうしたんですか?」

キジは、コンコンと咳をしながら、がらがら声で言いました。

「あなたたちこそ、どうしたんですか?」

金太郎は言いました。

「鬼退治に行くつもりが、道がわからない。

どうしたらいいものか・・・。」

キジは言いました。

「わたしは、風邪をひいて薬をもらったものの、

くちばしが入らなくて飲めやしない。」

その、風邪薬は、口の細い瓶入に入っていました。

キジは、腹立たしげに言いました。

「キツネのやぶ医者め。いやがらせにちがいない」