男生活2日目ー.....菅谷の記憶メモリーは元々俺と友達だったみたいで二日目にして一緒に出かけることになった。
ー土曜日ー

"じゃあ、桐川駅前9:15集合な"あいつからメールが来てた。時計を見ると今は9:14【やべー!間に合わない!】あいつとの約束を果たすため俺は家から飛び出た。
9:22息を切らせながらもやっと駅に着いた。菅谷は改札口の前に立っていた。「悪い!遅刻してしまった。」
むすっとしていた顔は俺の顔を見るやいなやホットしたようだった。
「あと、2分で2番ホームに電車来るから早くいくぞ〜」
そう言って俺の手を引いた。
プー.....
電車が来た。俺たちは満員電車に乗ってあのテーマパークへ行く!吊革に捕まった菅谷はハァとため息をつき「こんな時に彼女といたら楽しんだろーな。」
「それな。」
彼女かー.......考えても見なかったな。ついこの前までは彼氏とか無理だろーなとか思ってたけど今はそっか、彼女作るほうなんだと男になったのを改めて実感した。
ふと頭にまた未来さんの警告しようとしたことがよぎる。なんだったんだろ?やっぱり気になる。俺は菅谷を置いて列車のトイレへこもった。
プルルルル........
「もしもし、未来さん?」
「はい、玉川虹恋さん、どうしましたか?何か問題が?」いつもと変わらない未来さんの声を聞くと少しほっとした。
「あの、何度も聞きますけどこの前いおうとしてた警告ってなんなんですか?同じコンプレした人と会ったらどーとかって、、、。」
少し間が空き、うっ・・・。と鈍い声をあげて、
「あなたは今女に戻りたいと後悔していますか?もしくは、今後後悔すると思いますか?」と質問をしてきた。
でも、意味が分からなかった.......
「分かりません」そう答えるとガチャっと、電話を切られてしまった。やっぱりヤバイことなのか?ドッペルゲンガー的な死ぬ.....とか?

ピコんピコん
"何やってんだ?っつかどこおんの?σ( ̄^ ̄)?"菅谷からだった。これ以上あいつに心配させてはいけないと悟りすぐにトイレを出た。

「わりーわりー、トイレ行ってたわ。」
「彼女だろ?(=_=)」やたら菅谷は彼女彼女ー.....って笑

2時間後「只今○○パークに到着いたしました。忘れ物にご注意...」駅員の声に目が覚めた。俺たちは寝てたんだ。菅谷を起こして電車を降りる。

改札口から出ると景色は一気に変わり夢の中にでも来ている感じになった。
「おい、菅谷!アレ乗ろーぜ!」俺はあいつ以上にはしゃいだ。何しろ子供の頃からこーゆーとこ家族関係悪すぎて来たこと無かったからなー......

―2年前夏―
中2になって3ヶ月、父が愛人を作って出ていった。母は何度も自殺しようとしてた。
「母さんやめて!」縄をドアノブにかける母を必死で止めた。
この頃学校では学校1権力を持つ女グループの中に入っていた。その中のリーダーの朱里はご機嫌を損ねると手に負えない面倒くさい奴だった。その中を魚のように空気を読んで過ごしてきたのにある日地雷を踏んでしまったー......
「お前、マジないわー笑うちが斎藤の事好きなこと知って近づいたんだろ?斎藤がお前に好意持つわけねーっつの!」
そう、恋愛ー......
当時同じクラスだった斎藤宇宙(そら)学校の中でもかっこよくてモテる方だった。私は恋愛なんぞに興味もなく只淡々と生きてきた。なのに文化祭の日突然告白されてしまった。正直嬉しかったけど、焦った。【朱里にバレたらどーしよ】
勿論OKするつもりもない。「ごめん、私そーゆーのまだいいかな.....」
でも当然そんな噂は二日で広まった。
「虹恋が斎藤に言い寄ったらしい」とかありもしないことでLINEでもTwitterでも叩かれまくった。朱里達の機嫌も取り戻せるはずがなくいじめのターゲットになってしまった。そこから2年間こんなにも耐えてきた。
母は新しい男と結婚し、私に新しい父親を作った。
高校に入ったら、ハゲたおっさんと若くてモテる先生達にスカートめくられたり触られたり毎日セクハラされた。誰に相談しても嘘つき呼ばわり。私の人生を狂わした元の元は両親ー.......今ても深く恨んでいる。
でも今こうして男になった訳で楽しくやってる訳だから...どーなんだ?
菅谷と廻ってるうち少しずつ後悔が現れた。
【結局逃げただけじゃん、自分】