悲鳴をあげる鏡花の事はお構い無しに、ひょいひょいっと桜花は木を登っていく。


そして、木の真ん中辺りで桜花は止まり、一番太い幹に自分の膝の上に鏡花を乗せて座った。


鏡花はあまりの怖さに目を固くキュッと閉じていた。


「鏡花ちゃん、着いたから目を開けて。


綺麗な景色だよ」


『綺麗な景色』、その言葉にゆっくりと鏡花は目を開けて、そして固まった。