鏡花はその光に向かって進む。


点は次第に大きくなり、長いトンネルから抜けるような光に包まれた。


鏡花は思わず手を翳す。

目が次第になれるとそこは見覚えのある景色だった。







蝉が愛の歌をさえずる中、小さな公園で五人の子供たちが遊んでいた。


その中の一人、白いワンピースを着た女の子には見覚えがあった。


見覚えがあるどころではない。


その女の子は幼い頃、まだ鏡花が祖父母に預けられる前の頃だった。