祖父が放ったその言葉にぐらりと頭の芯が揺れる。 「お、おじいちゃん、何言ってるの? もう一人いるでしょ?」 鏡花は苦笑いを浮かべながら、心は恐怖に駆られる。 「鏡花こそ何を言ってるんだ? 鏡花一人しか居ないじゃないか」 「――…っ!」 どくんと、鼓動が跳ねる。 嘘だと、心の中で否定した。