まだ葉しかついていない小さな苗木でしたが、青年はとても嬉しく思いました。


自分が産まれた時に植えた木の子供ということで、青年は自分の兄弟のように大切にしました。


元服を済まし、益々忙しくなった青年でしたが、それでも暇を見つけては山に登っていました。


木は年々大きくなり春になると綺麗な桃色をした桜の花を咲かせる様になりました。


いつも眺めていた景色に散る桜の木が加わり、より一層美しくなりました。