少年はそれを何年も繰り返しました。


その内少年は元服をする歳になりました。


その時に父親から桜の苗木をもらいました。


“その木はお前が産まれた時に植えた桜の木の子供だ。
その木をお前の好きな所に植えて来なさい”


それを聞いて少年、否、青年の頭にはいつも通っていたあの開けた場所が頭を過りました。


青年は早速苗木を持ってあの場所に向かいました。


父親は植木屋に植えてもらえと言いましたが、特別な場所を他の誰かに知られたくなかった青年は、自分で苗木を植えました。