鏡花は学校に着くと、上履きに履き替えて教室に向かう。 鏡花の足取りは、教室に近付くにしたがって、重く遅くなる。 ついに、鏡花は教室の扉の前まで辿り着いた。 中からは、微かにクラスメイト達が話す声が聴こえる。 鏡花は静かに息を吐き、そしてガラリと扉を引いた。 扉を開けた音に反応して、クラス中の視線が鏡花に集まる。 鏡花はその視線を避けるように、俯きながら自分の席に向かう。