「では、私たちはこれで失礼致します」 「霞、鬼囮爺、またね」 桜花はひらひらと手を振り、霞と鬼囮爺を見送った。 サァっと爽やかな風が、桜花の側を通り過ぎていく。 桜花は、その風に身を任せるように目を閉じる。 風は穏やかに桜花の髪を弄び、頬を撫でていく。 そして桜花は、いつの間にか消えており、残されたのは、桜の木だけだった。