「鏡花ちゃん、どうして泣いていたんだろう……」


桜花はポロリとそう、溢した。


「明日、調べてまいりましょうか?」


「いや、いいよ。


僕は鏡花ちゃんが話してくれるまで待つよ」


「また来るのですか?」

「うん。また来るって喜んでたよ」


「左様ですか。


私達はどうすれば?」


「出てきてもいいよ。


でも、鏡花ちゃんが驚いたらいけないから、出てくるときは、人に変化してね」


「かしこまりました」


白蛇は恭しく頭を下げた。


一ついうと、白蛇の名は霞(かすみ)。
小鬼を鬼囮爺(きがじい)という。