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夜空に満月が煌々と輝く晩。


鏡花が昼間いた桜の木に腰かける人影があった。

それは昼間と同じ格好をした桜花だった。


まだ少し冷たい春の夜風に吹かれながら桜花が目を瞑っていると、気配を感じ桜花は右隣を見た。


そこには、先程鏡花の部屋にいた白蛇とそれに乗った小鬼だった。