◇◇◇ 「ただいま!」 「お帰り鏡花」 玄関の戸をガラリと開けて鏡花は元気よく帰って来た。 それを迎えたのは奥の台所から手を割烹着で拭きながらやってきた祖母だった。 「えらくご機嫌だけど何かいいことでもあったのかい?」 鏡花の祖母、里子(さとこ)は鏡花の小さな変化に気が付いた。 「うん! 今日友達ができたの!」 「そう、それはよかったね」 里子はニコニコと微笑んで聞いてくれた。