「心配かけてごめんなさい」
「どうして家を飛び出して行ったりしたんだ。
しかもこんな雨の中」
祖父は理由をたずねてきた。
鏡花は少しためらったが、一つ深呼吸をすると意を決して理由を祖父母に話した。
自分が見える不思議なモノたちのこと。桜花にあったこと。そして、その桜花に雷が落ちて今まで外にいたこと。
全てを話して鏡花は少し怯えていた。
祖父母は自分のことを嫌うだろうかと不安だった。だが。
「そうかい。鏡花はさぞかし不安だったろうね。
ごめんよ。私たちが気づいてあげれなくて」
祖母は泣くのを堪えながらそう言った。