私は目を凝らして、よく見てみる。


……やはり、

少年がかぶっているのは私の帽子だ。




私は声を出すのを躊躇った。


少し、恥ずかしかったから。

けど、私は

私のお気に入りの為に、勇気を出した。





「ーーねぇっ‼︎」




少年は振り向いた。


「……何?」




目の綺麗な少年で、


思わず私は見入ってしまった。






少年は、ぼけーっとしている私を見て


面倒くさそうな顔をし、帰ろうとする。





「ーーあっ、待って待って‼︎」


私は、危ないところで

意識を取り戻す。




彼はまた振り返ってくれた。

「何……?」





少し、不機嫌になったように見えた…。