「ーーま、待ってっ‼︎」


私は返事する筈のない帽子に、

そう言った。


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ーー結局、




私よりも背丈の高い


向日葵たちの周りで、

全力疾走……。
または、小回りな動きはできないからして、



私の白い帽子は、

何処かへと飛んでいってしまった。





「お気に入り…、だったのに………。」



せっかく、ママが買ってくれた帽子。




少しばかり……


いや、ものすごく、




悲しかった。






「はぁぁぁぁぁぁ〜っ……。」



大きなため息をついた時、

一瞬、黄色の世界の中に



白いものが見えたように感じた。





私は、走って白の見えたところに走り出した。


すると、そこには少年がいた。




私と同じ歳ぐらいだと思う。


その少年は、白い帽子をかぶっていた。