お互いの気持ちもわかり、
やっぱり、静寂がながれる…。
だって、何を言えばいいかわからないんだもの…。
そう思っていた、私の左手が強まる。
蓮の暖かい手に包まれていた左手が…。
うつむいていた顔を上げると、蓮がコチラを見ていた。
急のことで恥ずかしくて、私はまた下を向いてしまった。
「こっち見てよ……。」
すると、正面方向から声が聞こえる。
「見なかったら、もう二度と羽紀とは会わない。」
衝撃的な言葉に、私は思わず顔を上げた。
ーーやっぱり、蓮の顔がそこにはあった。
蓮は笑ってた。
私がすぐに、顔をあげたからか、
面白かったのか、
むしろ苦笑いだったのか…。
わかんないけど………、
わかんないけど、
最後の考えだけは違うことがわかった。
蓮は、自分の横ポケットをあさる。
何がでてくるのかと思いきや、
そこからは、小さな箱が1つ出てきた。
手乗りサイズの、小さな黒い箱だ。