†羽紀side†



初めて会ったその日から、


私たちの関係は始まった。





『また明日、この場所で。』




そう、2年前の蓮は言った。


蓮の言葉を信じて私は次の日も次の日も向日葵畑に行った。




蓮も、毎日来てくれた。





私たちが会えるのは、向日葵が咲く季節だけ。



熱くてたまらない、夏だけなのだ。




あの日から2年経った今、



まだ、私のお気に入りの帽子はまだ返してもらえてない。




けど、返して欲しいなんて思えない。



最初は私も返して欲しいと思った。



けど、蓮のコトを知っていくうちに返して欲しくなくなってきた。





ーーだって、蓮が私の帽子を私に返してしまったら私たちは会う口実がなくなってしまうもの。







……けれどもう、






それもおしまい。