俺は白い帽子をかぶったまんま、向日葵の周りを歩き始めた。



この白い帽子の持ち主の、


白い女の子に渡すために。






うろちょろ、うろちょろ。

背伸びしたり、しゃがんだり。




腰を叩いて、背伸びしたり……。




ーー見つからない。







今さっきまで、そこにいたのにいなくなっている。



いったい、何処にいるのやら……。





頭を悩ませている俺の後ろから、


綺麗な声が聞こえた。





「ーーねぇっ‼︎」





さっきの叫び声の女の子だった。



白い女の子だった。





…ーーびっ……くりした。




「……何?」






急のことで、言葉をうまくなさ返せれない。




恥ずかしくて、



俺は白い女の子とは逆方向に向いて歩いて行く。






「ーーあっ、待って待って‼︎」




混乱している俺に、優しく声をかけてくれる白い女の子。





「何………?」





胸の高鳴りが煩い。



頬も赤らんで緩んでいるような気がする。






俺はギュッと、顔を引き締めた。