目の前に広がる、
黄色い、向日葵の海は、
俺を飲み込む。
太陽に向かって笑顔を見せている向日葵は、
静かなところが取り柄だろう。
ここは、とても静かな場所だ。
ここに何時間いようと、
俺は立ち付して過ごしてしまうかもしれない。
友達のいない俺でも、
友達ができるかもしれない…。
ーー……なんて、都合よすぎるか。
「うわぁぁぁぁーーーーーーっ‼︎」
ーー不意に、何処からか声が聞こえた。
向日葵を掛け分けて、
俺は声の方向を覗いてみる。
そこには、白いワンピースを身にまとって
白い帽子をかぶっている女の子がいた。
白い女の子は、スカートをひるがえして
楽しそうに、向日葵の周りを走り回っている。
笑顔で。
俺は、その子と
仲良くなりたいと思った。