あー。今日はなんか緊張する。

今日から学校に行く日だ。

教室のドアを恐る恐るあける。


おめでとー!!と友達の加奈子がクラッカーをしてくれた。


<ありがとう。>と私は言った。

<おかえり>っと数人の子が言ってくれた。


記憶の記憶はないけれど、誕生日パーティーを開いてくれたみたいに嬉しかった。

加奈子は

<今日からまたよろしくね。>

と笑いかけてくれた。

<うん>といいながら、うなずく私。

今日から新たな学校生活が始まる。

勉強は大変だった。

追い付いていけない。

一年の時よりもはるかに、授業スピードが違う。

私はただノートをとるだけで精一杯だったが、隣の子も気を使ってくれた。

移動教室。

ぎこちなかった。

初対面の人みたいに。

けど加奈子は、<あとで今までのノート見せるね>

と優しく言ってくれた。

今日の私はほとんど、しゃべれなかったが教室という空間がこんなにも

居心地がよかったのかと改めて感じた。

帰り道。


悲しかった。だって、私は記憶がないのに、みんな私のこと

普通に接してくれた。

加奈子とはどんな思い出があったのだろう。

加奈子、良い子だったな。

けど、こわくていろんなことが聞けなかった。

明日はもっと向き合おう。